はじめに:中山道ってどんなところ?

中山道という名前は聞いたことがあるかもしれませんが、実際に歩いた人は少ないかもしれません。私も正直、最初は「江戸時代の道でしょ?歴史マニア向け?」くらいの認識でした。でも、実際に歩いてみたら…想像以上にドラマが詰まっていました。時代の空気を吸いながら歩ける場所って、そうそうないですよ。


なぜ“宿場町巡り”がおすすめなのか?

日本にはたくさんの歴史街道がありますが、中山道は少し特別です。江戸から京都まで、実に69もの宿場町があったのです。東海道が海沿いのルートなら、中山道は山道を行くルート。だからこそ、景色がとても豊かです。

特に私が訪れた木曽地域の有名な宿場町「馬籠宿」「妻籠宿」「奈良井宿」の3つは、それぞれに魅力があります。これらの宿場町は、ただSNS映えするだけではなく、本気で“時間旅行”ができる場所です。


馬籠宿:坂道の美しさと文学の香り

岐阜県の山あいにある馬籠宿は、石畳の坂道が印象的です。歩いていると、まるで江戸時代にタイムスリップしたような気分になります。実は、島崎藤村の故郷でもあり、「夜明け前」の世界観がそのまま残っています。特に感動したのは、どのお店も手を抜いていないところです。五平餅や蕎麦、どれも丁寧に作られており、正直、五平餅だけで感動して泣きそうになりました。

ポイント:馬籠宿は坂道が多いため、歩きやすい靴を用意することをおすすめします。スニーカーがぴったりです。


妻籠宿:まるごと保存された宿場町

次に訪れたのは長野県にある妻籠宿。ここは日本で初めて町全体を保存しようとした宿場町で、昭和40年代に住民たちが保存運動を始めたそうです。その歴史を知ると、感動せずにはいられませんでした。古民家カフェや宿泊施設も、外観はそのままで中はリノベーションされていて、とてもおしゃれです。

豆知識:妻籠宿では電柱が地中に埋められており、景観が完全に江戸時代のものとして保存されています。


奈良井宿:一番長い宿場町は伊達じゃない

「一番長い宿場町」として知られる奈良井宿。実際に歩いてみると、その長さに驚きます。しかし、その長さに比例して、工芸品や漆器を取り扱うお店の数も多く、見どころが豊富です。ここでぜひ食べてほしいのは「とうじ蕎麦」です。あったかい蕎麦なので、初夏などに敬遠されるかたがいますがぜんぜんいけます。実際に初夏にとうじ蕎麦を食べていたところ、「私もとうじ蕎麦を注文すればよかった」とおっしゃって帰っていかれるお客さんもいました。


宿場町って「泊まる場所」だけじゃない

中山道の宿場町は、ただの宿泊場所ではありませんでした。

  • 本陣:将軍や大名が泊まるための宿泊施設
  • 脇本陣:本陣が満室のときに使うセカンドオプション
  • 問屋場:人馬の手配や物流の拠点

これらはまさに、江戸時代のインフラそのもので、現代の高速道路のサービスエリア、ホテル、配送センターが一体となったものといえるでしょう。


文化遺産としての中山道

昭和以降、宿場町の景観は少しずつ失われていきましたが、木曽地域では住民たちが保存活動に立ち上がり、その努力の結果、今の美しい姿が保たれています。保存されているだけではなく、“生きた町”として息づいているのが素晴らしいです。

さらに、案内板が多言語対応しており、英語のガイドマップもあります。これにより、海外からの旅行者にも親切な環境が整っています。私が訪れた際にも、ドイツから来た夫婦と一緒に歩きました。


まとめ:歴史の上を歩くという贅沢

この旅を通じて強く感じたのは、「歴史を学ぶ」のではなく、「歴史の上を歩く」ことの特別さです。中山道は観光地として過度に整備されていないため、“人の暮らし”が感じられるのが心に残ります。

これから旅を計画している方、ぜひ「歩く旅」として中山道を体験してみてください。坂道や足元は少し大変ですが、その分、五感で江戸時代の旅人になれる感覚が味わえます!

この記事が参考になったら、ぜひ感想や体験談もシェアしてくださいね。旅のヒントはみんなで作るものです!


▶️ 次回予告:「中山道、どこから歩く?初心者におすすめのルートBEST5」も書く予定です!

関連記事

  • 日本語記事
  • English
TOP